読書感想メモ『恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits』森博嗣
※あからさまなネタバレは書いていませんが、この作品はできれば何も知識のない状態で読んで欲しいという管理人の個人的な願望をここに示しておきます。感想ブログを見る前に作品を読んでしまうことを推奨。
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読了後に「保呂草!!!!!!」と声に出して叫ばなかった自分を褒めて欲しいです。叫びませんでしたが、涙目にはなっていました。比喩でも誇張表現でもありません。気がついたら目が潤んでいて……。それは悲しかったからでも、嬉しかったからでもなく、頭を殴られた衝撃で生理的な涙が出るような、そんな感覚でした。
紫子さんのことを考えれば、保呂草さんサイテー!酷い男!と言う他ないのですが、ダメですね。悔しい。完全にやられました。エピローグで「保呂草さん、とんでもない男……」と再認識しましたが……そこが痺れるくらいカッコイイ。ニクいです。
もっと別の方法で種明かしされていたらここまでの衝撃はなかったかも知れません。正直、読んでいる途中で「もしや……」とは思っていましたが、その疑いすら吹き飛ばす森先生の天才的な構成にやられました。完全に、保呂草……いや、森博嗣の手のひらで踊らされていました。平伏。
ああでも、何も知らない紫子さんがやっぱり可哀想だな。無邪気な紫子さんをこれからどういう目で見ればいいのか……なーんて、余計な心配をしてしまいます。だけど、保呂草さんが紫子さんに話した善と悪のおはなし。どうでもいい人が相手だったら、こんな話はしないんじゃないかなぁなんて。楽観的観測でしょうか。
羽村さん、好き。紫子さん、かわいい。れんちゃん、素敵。紅子さん、優しい。保呂草さん、かっこいい。祖父江さん、頑張れ。わざとつまらなそうな顔で写る祖父江さん、クールです。
保呂草vs祖父江七夏の構図はこれからも続いていきそうですね(七夏→保呂草の一方通行のような気もするけど)。林さんもいますし、このシリーズの警察は優秀なのでヒヤヒヤする場面もあるのですが、保呂草さんは今のところ飄々と躱しています。
そんな保呂草さんがあの人に自らの秘密を明かしてしまうとは……。利害で動いているように見える保呂草さんにも結構人情があるんだなって。勘違いかもしれませんけど(笑)
紫子さんがかわいそうな一方で、あの人は保呂草さんのおかげで前向きになれたみたいなので、やっぱり保呂草さんはニクいくらいかっこいいなって。結局そこに戻ってきちゃう(笑)
あらら、いつも以上にまとまりの無い感想になってしまいました。感想というか、喚いているだけのような。はぁ……こうなっちゃったのも全部保呂草さんのせいです。あ、恋恋蓮歩は前作『魔剣天翔』から続けて読むことをオススメします(繋がりが濃いので)。
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