夕影巴絵

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勉強計画(2025.10.17)

ひとりのピアニストの演奏を聴いて背筋が伸びた後、先ほど、弁護士の方々との座談会で勉強方法の話を聞いて焦りまくったので、このブログを書いています。夕影です。座談会に参加して感じたこと。勉強量が圧倒的に足りない!勉強方法とか以前の問題でした。勉強量というか、勉強時間が足りていない。司法試験は「量より質」が通用しない世界です。まず量があって、それから質の話になるというか。あと9か月しかないのに本当にまずいです。受かる可能性が1%にも満たない気がしている。とりあえず勉強計画を立ててみます。早い時間に大学へ行くこれ。授業がないと、大学に行くのは大体夕方くらいに……。家で勉強しようかな?と思うものの、家で勉強できた試しなし。家で昼食を食べるとそのままダラダラしてしまうので、起きたら一息つくことなく、そのまま大学へ行くことを心がけようと思います。どうしても美味しいご飯をつくって食べたいときは、ご飯の時だけ家に帰る。なるべく遅くまで残る「家に帰ってから続きやろうっと♫」と思って私は帰宅します。結論、やりません。「面倒だな~」と思いながらダラダラして、先伸ばしにし、日付が変わって、「やっぱり明日やろ」と思って寝ます。ダメ人間すぎる。書いていて悲しくなってきました。疲れていると勉強の効率が下がるので帰宅して休んだ方がいい、という主張もあるかと思いますが、たとえ効率が下がって本当は10できるところが3くらいに落ち込んだとしても、今の私(ゼロの状態)よりは確実にまし。短答を回すこれです。短答やばすぎる。進捗が。やばすぎる。理想は毎日二時間やる、ですが、全く実現できなくて早々に諦める未来がみえるので、一旦は一日最低10問を目標にやっていきます。今がゼロなので、ゼロよりは10の方が圧倒的にまし。あと、知識を教材に一元化する。今までは解いたら解きっぱなしで、解いたはしから忘れていくスタイルだったので、ちゃんとまとめます。択一六法の購入を検討中。司法試験(論文)を解く一番はこれ。今は週に1問くらいのペースでしか解いていません。少ない。少なすぎる。受かるわけがない。5年分の過去問を全科目解くと、全部で40問。後期の間(期末前は除く)に終わらせるとすると、2,3日に1問解けばオーケー。……むりむりむりむりむり! いや、むりとか言っちゃダメダメダメ! 2日に1問、その気持ちで頑張ります。泣あと、論文も今のところ解きっぱなしなので、ちゃんと出題趣旨読んでまとめます。予習にメリハリをつける↑をやるなら、授業の予習はある程度手を抜かないといけません。蓋を開けてみれば前期の成績はすこぶるよかったので、後期は全部「可」でも進級できるレベル。なので、司法試験の勉強に集中できる環境が整っているといえます。……なのに、なまじっか前期の成績がよかったせいで、「よーし、後期もいい成績取っちゃうぞ♫」と張り切ってしまっていた。ローの先輩に「後期は前期の貯金があるから授業と司法試験を上手く両立してね」と言われて目が覚めました。危なかった。授業内容からして、行政法はしっかりめに予習できればいいかな、という感じですが、他はもう少しテンポよく進めていきたいです。時間測ってやろうかな。予習は一日〇時間まで、みたいな。具体的な勉強計画というよりは、抽象的な勉強方針になってしまった気もしますが、オーケーオーケー。具体的な勉強計画を立てて、それで「意外と余裕あるな」と安心してやらない、もしくは、取り戻せないくらいに計画が遅れて、全てが嫌になって何もやらなくなる。そういう経験を何度も繰り返しているからです。もう本当にダメ人間すぎて恥ずかしいし涙が出そう。時間は止まってくれないので、ダメ人間なりに、ダメ人間だからこそ、自分のダメさを直視した上で、できる対策を実行していきます。

第19回(2025)ショパン国際ピアノコンクール三次予選結果

夕影です。三次予選の結果が発表されました。三次予選通過者(本選出場者)Piotr Alexewicz(ポーランド)Kevin Chen(カナダ)David Khrikuli(ジョージア)桑原志織(日本)Tianyou Li(中国)Eric Lu(アメリカ)Tianyao Lyu(中国)Vincent Ong(マレーシア)進藤実優(日本)Zitong Wang(中国)William Yang(アメリカ)ファイナリストの皆さん、おめでとうございます🎊 牛田智大さんについては、別の記事で書きました。ここまできっちり40人、20人と絞ってきまっしたが、ファイナリストは11人となりました。混戦だったことが想像されます。ここに名前のある方々全員、本当にすごいピアニストだと思います。日本からは桑原志織さんと進藤実優さんが通過。ここまで来たらお二人とも入賞してほしい。コンチェルトだけじゃなく幻想ポロネーズも弾かなければならないなんて、体力を要する舞台だと思いますが、悔いのない演奏ができるよう、日本から祈っております。桑原志織さんについて、同じことを考えている方もすでにたくさんいるかと思いますが、ケヴィンと桑原さんが立ち位置的に(演奏スタイルは全く違う)、前回のブルースと反田さんに重なります。今回は、ぜひとも優勝を……! 桑原さんならいける、と望んでしまいます。三次予選の記事には書けなかったのですが、桑原さんの三次予選も本当に素晴らしかったです。桑原さんが弾くスケ3はきっと素敵だろうと思って楽しみにしてたら、オクターブの安定感とキラキラ降下する感じがまさに理想的で、マズルカもリズムに乗れたし、「こういうのが聴きたかった」の極みにあったソナタ3番も、美しい音色を保ったままの4楽章が、とても分厚くて……! ファイナルでまた聴けるのが楽しみです。目が覚めて、まだ寝不足ですが、結果を見てもう眠れなくなったので勢いで二本も記事を書いてしまいました。大学に遅刻の危機! いってきます。これまでの記事↓

コンクール

 覚悟はしていたものの、やっぱり悔しい、と感じてしまう。無難な演奏ではなく、ショパンとここまで全身全霊で向き合い、「らしさ」を出して渾身の演奏をされたのだから、もし結果がついてこなくても……結果以上に価値のあることを成し遂げたのだと、清々しささえ感じられるはずだ、と。昨夜の時点では、そう思っていたのですが……(三次予選の記事)。 まずは、おつかれさまでした。ゆっくり休まれてください。今、もっとも多くの感情を抱えてらっしゃるのはご本人だと思います。記憶に刻まれる演奏でした。本当にありがとうございました✨ この続きを書く前に、コンクールについて、少し前に書いた小説の一部を引用させてください。(追記:実は、予備予選の出場者一覧に牛田さんのお名前がなかった(予備予選免除者の要件緩和についてはまだ知らなかった)時に、当時書いていた小説に書き足したものです)* 日本の某都市で開催される国際コンクール。昨年のコンクールに出場していた彼は、一次予選で敗退した。 国内外から有望な若手が集まるこの本大会に、出場しただけでもすごいことだ。しかし、彼はもっと上へ行くべきだった。少なくとも私はそう思っている。だから、今年も出てほしかった。 コンクールに出てほしいと思うのは、聴衆のエゴだ。コンクールに出るのが当たり前ではない。出場するもしないも本人の自由。才能を比較し、順位をつけるなんてナンセンスだ。コンクールには関与しないという信条で活動している者もいるだろう。 確かに、コンクールがもたらしてくれるのは良いものだけでない。芸術の目的は競争ではなく、コンクールはあくまで通過点に過ぎないとわかっていても、競うことを意識せざるを得なくなるからだ。 聴衆としても、こんな結果でお気に入りの奏者が打ちのめされるくらいなら、出ないでほしいと思う瞬間すらある。 結果を残せればいいが、早々に敗退した場合、むしろ〈その程度の奏者〉と評価されるリスクさえある。ロクに聴いたこともないくせに結果だけを引用し、的外れな講釈を垂れるアカウントを見た日には、怒りで頭が沸騰しそうになるほどだ。それなのに、胸にぽっかりと穴が開いたような、この感覚はなんだろう。 彼の演奏をもっと聴きたかった。聴いてほしかった。認めてほしかった。 音楽家であるかどうかにかかわらず、客を集めるには知名度が必要だ。そして、音楽家が知名度を高める手段として手っ取り早いのがコンクールである。 入賞すれば箔が付き、大手レコード会社から録音がリリースされ、リサイタルの機会も格段に増える。それに、今どきはインターネットでの配信も行われるから、出場するだけでも愛好家たちの目に触れやすくなる。継続的な音楽活動にコンクールが果たす役割は大きい。 出なくていい。出てほしい。相反する感情がうずまくものの、彼が出場しないという事実は変わらない。* でも、牛田さんは出場しました。ショパンコンクールという大舞台に、二度も挑戦しました。 この小説で語られている〈彼〉は、無名の音大生でした。牛田さんは、すでに十分すぎるほどの知名度があり、実力も認められているピアニストです。 一人称視点小説の地の文という特性上、あえて露悪的な感じで書きましたが、コンクールに出場する目的は知名度を上げたり、箔をつけたりするためだけではありません。音楽に向き合い、己を高めていく過程に、自然とあるのがコンクールという通過点。ショパンの音楽を追求する方々にとってのショパンコンクールに関しては、まさにその側面が強いと感じます。 こうやって私たちが結果に一喜一憂するのも、聴衆のエゴなのだろうと思います。私たちの声援がプレッシャーに感じられることもあるかもしれません。それに、「私たち」のためにコンクールという過酷な試練を受けているわけじゃない。いつも「聴いてくださった皆さん」と私たちに言及してくださるけれど、自惚れてはいけないし、そう自覚しなければならないと思います(応援している私たちもですが、一番は、「聴いてやってる」と言わんばかりの態度でXやチャット欄に書き込む人たちのことです)。そう自覚しながらも、やはり覚悟ある挑戦と素晴らしい演奏に「ありがとう」と思わずにはいられません。 なにが言いたいかというと、私たちのためじゃないとしても、ショパンコンクールという特別な舞台から、リスクも承知のうえで素晴らしい音楽を届けてくださったことに、心からの感謝を。ありがとうございました。挑戦し続けたその姿勢に、深く敬意を表します。 いいえ、またコンクールに挑戦するにせよ、しないにせよ、挑戦はまだまだ続いていきますね。牛田さんはこれからも、ご自身の音楽哲学を真摯に追求していくのだろうと思います。牛田智大さんの前途に幸多からんことを!* なんの運命か、誕生日当日にショパンコンクールで演奏した牛田智大さん。考えてみたら、牛田さんって私と二つしか変わらないんだ……。そういえば昔はテレビの牛田さんを、年上のすごいお兄さんだと思って見ていました。今になってみれば、二歳って結構小さな差だけれど、自分があと二年で牛田さんのように成熟できるかというと全くそんな気がしない。私なんて、まだ学生で、何も成し遂げていないし(笑)。夢に向かって勉強しているつもりだけれど、正直頑張りきれていない部分が大きくて、日々自己嫌悪……。牛田さんの演奏を聴くと、背筋が伸びます。私ももっと努力して、目の前のことに向き合っていきます。感動だけじゃなくて勇気ももらいました。きっとますます人気が出るんだろうと思いますが、また北海道にも来てほしいです。昨年いらっしゃったときは大学院入試の翌日で、高熱が出てしまって……😭 私の夢が叶ったら(ちゃんと就職できたら)飛行機に乗って、牛田さんの様々な演奏を聴きにいきたいです。ついでに旅行も兼ねちゃったりして。これからも素晴らしい演奏を生で聴く機会がたくさんあるのだと思うと、とっても楽しみです。 牛田さんは「ひとりのピアニスト」だと思います。「ひとり」は人数であり、自立(自律)した人間であり、孤高の人でもある。私も「ひとり」でありたい。* コンクールに出場している人数分、ここに至る過程と覚悟があって、様々な感情が渦巻いていると思うと、本当に途方もない。すべての出場者の皆さんに敬意を。これまでの記事↓

牛田智大さんの演奏(第19回(2025)ショパン国際ピアノコンクール三次予選)

夕影です。三次はザッとだけれどほとんど全員聴いてるからブログに書こう、と思ってたのに、圧倒されたのか頭がぼんやりとして切り替えられない。明日は一限、早く寝ないと……。とりあえず、今書ける分だけ書いちゃいます。その前に一つだけ。今弾いてるZitong Wangさんのソナタ2番、聴いていて気持ちがいい。ファイナル有力。あと、Tianyao Lyuさん、一聴してすぐに「この人は上手い!」という確信。緊張したことないのかな、とすら思う。お二人とも安定感がすごい。牛田智大さんの演奏を聴きました。頭が働かないので、リアルタイムで打ち込んでいたメモをほぼそのまま貼り付けます。プレリュードOp.45、張り詰めて苦しいけれど美しい。ついにショパンコンクールで聴けた牛田さんのマズルカoP.56-1、潤いを感じさせる音で繊細。56-2の舞曲感ちゃんと出てる。56-3、単色を丁寧に重ねて描いてるみたい。幻想曲、前回と較べて音のカドが取れた気がする。でもドラマ性は残している。入魂のファンタジー。前回のことがあったから心配してたけれど、むしろスケールアップしている。フォルテは割れない音で劇的に、繊細な表現はとことん繊細に。タメもちょうどいい気がする。二次で吹っ切れた? 焦りが見えない。落ち着いてる! 幻想曲、よかった! 前回を塗り替えた。この大曲の後にソナタ3番ってすごい。汗が心配。ソナタ1楽章、「上手い!」と感心する演奏とは程遠い。込められた魂に圧倒される。必死に生きる熱が涙を誘う。2楽章、こだわりがわかる。どう評価されるのかわからないけれど、らしさが出ている。3楽章、やっぱり牛田さんの音は硬質で、色彩ではなく濃淡で聴かせる。同じ色を細かく、細かく重ねていく感じ。ただ、ここまでやって大丈夫なのかという不安が……演奏時間……。あ、いま、素晴らしいトリルが聴こえた。美しい、美しいけど時間が……! 完全に入り込んでしまっている。ショパンコンクールって演奏時間にどれくらい厳しい?よし、4楽章入った。ここまで来たら駆け抜けて! 4楽章も、力を振り絞って太く歌っている(1~4楽章を通して、どんどん入り込んで、向こう側へ行ってしまって、コンクールなんていう俗世を超越した場所でショパンに持ち得る全てを捧げているよう。失速、停滞と取られてしまわないか心配だけれど、その表裏一体な感じも魅力)。弾ききった! 渾身の演奏だった! それは絶対に間違いない!きっと様々な葛藤や苦悩があったなか、それすらも消化して糧としながら、逸れることなくここまで来た覚悟と気迫。客席にも届いてるはず。全身全霊の音楽をありがとう。お誕生日おめでとうございます。審査員の耳にどう響いたのか、結果は正直わからない。けれど、私にはすごく響いた。揺さぶられた。胸が熱い。命懸けの音楽というものを初めて聴いた気がする。特にソナタの3、4楽章はそのまま倒れ込んでしまうんじゃないかと思うくらい、命が燃えていた。音楽のための刹那的な命の輝きと、その裏の儚さ。ファイナル目前という場でどうしても「コンクール」を意識してしまうけれど、結果のことや他人がどう感じたのかは考えすぎず、自分が感じたことを大切にしたい。以上です。ぐちゃぐちゃで、まとまりがなくてごめんなさい。あと、思ったより字数がありました。iPadで聴きながらPCにメモしていたのですが、こんなに打っていてちゃんと聴けたのかな?と不安になったので、タイピング練習ゲーム「寿司打」で自分のタイピング力を測ってみました。結果、お勧め5,000円コース【普通】で、★6,700円分 お得でした!(速度:5.7key/秒、ミス:21key)……だからなんだという感じですが。何やってるんだろう。でもよかった、ミス多めなのが気になりますが、この速さならば、ちゃんと聴きながらでも片手間に打てそうです。ああ、「ミス」……、演奏中のミスと時間オーバーはどのくらい減点されるのでしょうか。あまりの魂の削りように感動した人は間違いなく多いと思うのですが……(もちろん私もその一人)。自然な流れを重視する審査員にどう評価されるのか……会場にいないとわからないこともあるし……。なんて、考え始めるともうダメです。応援している方の演奏ほど次に行ってほしいがために余計な心配をしてしまう。私は感動した、感謝の気持ちでいっぱい、それでいいじゃない。魂抜かれたので今日はもう諦めます。お風呂に入って、勉強の続きをちょっとして、寝ます。おやすみなさい。 ラストのKevin ChenさんとEric Luさん、すごく聴きたかったけれど寝ます。明日一限なので。起きたらもう結果が発表されていますよね。ああ……。おやすみなさい。【追記】インタビュー動画を見ました。「終わってすぐなので……あまり記憶も定かじゃないというか」、そうですよね。あれだけの演奏をされた後で、全部覚えている方が逆に怖い(笑)。演奏直後でも気丈に応じられていて、安心しました。ゆっくり休んでいただきたいです。これまでの記事↓

(牛田智大さんを聴き終えて)第19回(2025)ショパン国際ピアノコンクール二次予選

牛田さんの演奏が終わってすぐに書いています。早く寝ないと。夕影です。現在、二次予選最後のセッションの最中です。私が次に起床した時にはもう結果が出ているはず……。5年(今回は4年)に一度の開催で、こんなに待ったのに、そして、スケジュールを見ると長期にわたる日程に驚くのに、いざ始まると本当にあっという間に進んでいく気がします。一次予選同様、一部の演奏しか聴けていないのですが、その中で印象に残った方たちを備忘録的に書き残しておきます。(順不同)桑原志織さん課題のプレリュードに加えてバルカローレ、ファンタジー、英雄ポロネーズという選曲でスケールの大きい、鮮やかな壁画のような演奏。ショパンを演奏する桑原さん、どこかの国の王女さまのようで、もはや神々しいです。中川優芽花さんいきなり英雄ポロネーズから。中川さんの演奏には個性的でありつつも聴き手にすっと馴染んでくるという魅力があるように感じます。感情を曝け出したプレリュード、忘れられません。次も聴きたいです。明らかに楽譜の覚え違いやテクニック由来のミスではないですし、それを理由に大幅減点なんてことはない……、と私は思っています。Yanyan Baoさん予備予選から気になっているコンテスタント。二次予選の演奏が一番好きです。すべてが高水準で、18歳という情報と聴こえてくる演奏が一致しない……。新進気鋭の若々しい奏者ともまた違う成熟感があります。Kevin ChenさんエチュードOp.10全曲演奏という奇策(?)に打って出た実力者。全曲とにかく上手くて、胸をすくような演奏。ただ、(選曲的に当然かもしれませんが)あまりにも目まぐるしく進んでいったので、ショパンコンクールという場でじっくりショパンらしさを味わう余裕はなかったかも。三次でソナタを聴きたいです。Eric Luさん実は前々大会(2010年)の演奏スタイルが好みだったので、先日の一次予選ではあまり触れなかったのですが、言及せずにはいられない凄みが「葬送」にはありました。キャリアを積むにつれて拘りが濃くなり、正統派寄りから個性派寄りになっていくピアニストはきっと多くて、Ericもそうなんだろうと思いますが、音楽が暗いところは本質的に変わらないと感じました。牛田智大さん(応援している方なので、ちょっと長いです。実況風)牛田さんの演奏には確かな質量がありつつも、一曲目のマズルカ風ロンドは質量と軽やかさを両立していて素敵。食傷気味になっている聴衆の耳にも新鮮に響いたと思います。ソナタ2番、良い入り。ソナタの中でも牛田さんの歯切れの良いトリルが聴こえてくると凄く嬉しい。幼少の頃に読んだ、くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」で麻子が母の愛子からトリルを教わるある種感動的なシーンが思い出されます(このネタ伝わる人いますか?)。感情を爆発させる「葬送」ではなく、重厚感と何より気品! 綺麗なだけじゃなく、やわらかい諦念とその先の希望のようなものを感じることがあって、それがすっと沁みます。3番も聴きたい。プレリュードは繊細でありつつも線太く、音は割れず! ヒヤッとする場面があったとしても、その後引き摺られて崩れることはなかったですし、これだけの時間が与えられればノーミスということは滅多にないと思います。こんなに丁寧さに溢れた英雄ポロネーズを弾くのはこの人くらいしかないと思わされる……(笑) 厚みのある高貴な英雄! 葛藤や苦悩を見せつつも最後は英雄で華々しくフィナーレ、という曲順やっぱりいいですね。前大会(2021年)の牛田さんの真摯な丁寧さと、コンクールという場で増幅した切迫感と、YAMAHAの華々しさと、それらが融合した演奏は胸に迫るものがあって何度も聴き返していましたが、今回は安定感と安心感がありました。とても落ち着いていて、ピアノのコントロールも上手くいっているように見えました。ブリリアントなYAMAHAの音色も好きだったけれど、牛田さんの持ち味とショパンコンクールという場の特殊性、ホールでの響きを考えると、今回はスタインウェイで正解だったかもしれない。演奏後の様子やインタビューが無しだったのは確かに心配になりましたし、(Ericもそうですが)その心情を想像すると胸が締め付けられます。いつも微笑んで安心させてくれるだけに。でも、牛田さんはステージマナーやサービスとしてはもちろん、緊張を和らげるために敢えて微笑みを浮かべるイメージがあったので、大舞台を終えてその必要もないほどに呆然としていただけなのでは……、というポジティブな解釈。常に己と向き合い、高めていく演奏家の皆さんには頭が下がります。どのコンテスタントの演奏を聴いてもハイレベルで、ここからさらに半分に絞るなんて……。全体的に高水準で明らかな差がないからこそ、審査員が何を評価基準とするかによって大きく結果が変化すると思います。明日、起床して結果を見るのが怖い。二次予選はまだ続いていますが、私の生活も明日以降続いていくので寝ます💦これまでの記事↓

第19回(2025)ショパン国際ピアノコンクール一次予選結果

夕影です。一次予選の結果が発表されました。二次予選進出者(一次予選通過者)Piotr Alexewicz ピオトル・アレクセヴィチ(ポーランド)Jonas Aumiller ヨナス・アウミラー(ドイツ)Yanyan Bao バオ・ヤンヤン(中国)Kai-Min Chang チャン・カイミン(台湾)Kevin Chen ケヴィン・チェン(カナダ)Xuehong Chen チェン・シュエホン(中国)Zixi Chen チェン・ズーシー(中国)Yubo Deng デン・ユーボ(中国)Yang (Jack) Gao ガオ・ヤン(ジャック)(中国)Eric Guo エリック・グオ(カナダ)Xiaoyu Hu フー・シャオユー(中国)Zihan Jin ジン・ズーハン(中国)Adam Kałduński アダム・カウドゥンスキ(ポーランド)David Khrikuli ダヴィド・フリクリ(ジョージア)Shiori Kuwahara 桑原志織(日本)Hyo Lee イ・ヒョ(韓国)Hyuk Lee イ・ヒョク(韓国)Kwanwook Lee イ・クァンウク(韓国)Xiaoxuan Li リ・ シャオシュエン(中国)Zhexiang Li リ・ジェーシャン(中国)Hao-Wei Lin リン・ハオウェイ(台湾)Eric Lu エリック・ルー(アメリカ)Philipp Lynov フィリップ・リノフ(中立個人参加)Tianyao Lyu リュー・ティエンヤオ(中国)Ruben Micieli ルーベン・ミチェーリ(イタリア)Nathalia Milstein ナタリア・ミルステイン(フランス)Yumeka Nakagawa 中川優芽花(日本)Vincent Ong ヴィンセント・オン(マレーシア)Piotr Pawlak ピオトル・パヴラック(ポーランド)Yehuda Prokopowicz イェフダ・プロコポヴィチ(ポーランド)Hao Rao ラオ・ハオ(中国)Anthony Ratinov アンソニー・ラティノフ(アメリカ)Miyu Shindo 進藤実優(日本)Gabriele Strata ガブリエーレ・ストラータ(イタリア)Tomoharu Ushida 牛田智大(日本)Zitong Wang ワン・ズートン(中国)Yifan Wu ウー・イーファン(中国)Miki Yamagata 山縣美季(日本)William Yang ウィリアム・ヤン(アメリカ)Jacky Xiaoyu Zhang ジャッキー・シャオユー・チャン(イギリス)

文学フリマ札幌10 御礼

文学フリマ札幌10、おつかれさまでした!「待宵影(影)」というサークルで出店しました、夕影です。まずは、本を手に取ってくださった皆様、ありがとうございました。出店者として同人イベントに参加するのは5度目、文フリに参加するのは4度目でしたが、私のつくった本を手に取ってくださる方がいるなんて、何度経験しても不思議な気分です。今日は売り子さん(アンソロにも寄稿してくださっている深石さん)がお手伝いしてくれました。席を外している間に見ていってくださった方もありがとうございます。今日もたくさん本を購入できてほくほくしています。今日買った本や前回買った本も、少しずつ、大切に読ませていただきます。それから、サインをお願いしたところ快く応じてくださり、嬉しかったです。勇気出してよかった……!運営の皆様、ボランティアの皆様、本を手に取ってくださった皆様、イベントを盛り上げてくださった出店者の皆様。あらためて、ありがとうございました!夕影巴絵P.S.次回開催は来年の7月20日だそうです。数日間にわたる重要な試験が終わった翌日とのことで、申し込むか否かすごーく迷っています。今回とまったく同じ本・設営で参加するか、今年の秋冬で新刊と新しい設営の準備を完璧にしておくかすれば、参加可能か……? いや、そこまで無理して出ることはないのか……? 翌日は流石にメンタルがぐちゃぐちゃになってそうだし……。いやいや、出たいが……。

短編集「理想は白で、ぼくは鈍」