読書感想メモ『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』森博嗣

ネタバレあり〼





WシリーズやWWシリーズが穏やかだったので、冒頭から温度差で頭が痛くなりそうでした。感情的な方の警察官みたいな人は、出てきてませんでしたから……。


いやあ……。

加部谷がつらすぎる……。完全にとばっちりですが、山吹先輩は何やってるの?などと思ってしまったり。個人的に、海月がダメなら山吹先輩が支えてくれればいいのに、と思っていたので。でも、そういう関係性でもないんですかねえ……。まず、ちゃんと連絡取ってるのかな?


森ミスとしては珍しく社会問題を取り扱った本作。ホームレス排除に向かう昨今の情勢と重なり、なおさら胸が苦しくなります。

空間を排他的な私的空間で埋め尽くし、ホームレスの居場所を無くす所有論。学部の講義で使った教科書に記述された問題が、重くのしかかります。

本筋ではないかもしれませんが、法律家を志す法学部生として、また、福祉論を少々学んだ者として、考えていかなければならないと気持ちを新たにしました。


今回も(日本語タイトル英語タイトル共に)怒涛のタイトル回収でしたね!

夕影巴絵

ゆうかげともえ、と読みます。

哀感パヴァーヌ

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