『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023)を鑑賞した感想
話題になっていた鬼太郎の映画を観てきました。
あまりにも話題になっていたため期待を超えてくるか少し不安もありましたが、すごくすごく良かったです。事前にTwitterで関連ツイートを沢山目にしていましたが、そのほとんどがキャラ萌えの方向性でのツイートだったので、ストーリーについては特にネタバレもなく楽しめました。
噂通り、水木と父のバディは良すぎました。素の力という意味では幽霊族の父が圧倒的でもちろん実力差があるのに、「なぜか」それを感じさせないバディって最高じゃないですか? 「なぜか」には「信頼」とか「相互補完」が入る気がしています。あと、父が最強過ぎないのもいい。これ以上はネタバレになってしまうので自粛……。
しかしこの作品、キャラ萌えだけで消費されていい作品ではないと思いました。戦争の記憶がどのように作用するのか、そこも素晴しかったです。気になっている方は、二次創作だけじゃなくて映画も是非浴びに行ってください。
「原作一話を先に観てから映画を観て!」というレビューもあるようですが、正直何も観ないで行っていいと思います。そこは自由ですけど、私はほぼ何も知らずに観に行ったおかげで、オチまで新鮮な気持ちで鑑賞できました(一話を観てしまうと、うっすらオチがわかってネタバレになるらしいので())。まあ、人それぞれ好きに観ましょう!!!
ただし、エンドロールの時に流れる絵とエンドロールの後に流れる映像はしっかり本編の続き(これを観るか観ないかでだいぶ話が変わってくる)なので、気をつけてくださいね。
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ラストはもうめちゃくちゃ泣きそうになりました。バトっているシーンでの水木のあのセリフ(ネタバレにつき規制)は敵だけじゃなく自分(というか人間全体)に言っていたんじゃないか、という考察が好きです。戦争が終わっても豊かにはならなくて、人間の業は深くなるばかりで、人は平気で死ぬし、殺し合うし、悲しかったけれど、彼が私の分まで泣いてくれました。
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