読書感想メモ『虚空の逆マトリクス INVERSE OF VOID MATRIX』森博嗣
『まどろみ消去』『地球儀のスライス』『今夜はパラシュート博物館へ』に続く、森博嗣の短編集4作目。
刊行順的には、Vシリーズ読了直後に読むべきだったのですが……。夢中でシリーズを読み進めていので、すっかり短編集の存在を忘れていました。
G,X,Wシリーズを読み進める前に、読み忘れていた短編集『虚空の逆マトリクス』『レタス・フライ』を読んでしまおうと思います。
『トロイの木馬』
現実(オフライン)だと思っていたシーンで「Yes/No」の選択が出てきて、この世界ではどれだけ現実世界と仮想世界がごちゃまぜになっているのか、訳がわからなくなりました。と思いきや、主人公が例の胎児だったとは……。薬で頭脳はよく育ったけれど、体に害が出てしまったために、仮想世界でしかまともに活動できないってわけですね。サヲリが一番不気味。
『赤いドレスのメアリィ』
彼の話が本当ならば、今のメアリィは朝居さんの奥さんってことになります。どこまで信じていいのかわからないけれど、なんて悲劇的。
『不良探偵』
たとえ真由子自身が望んでいたとしても、慎二に殺人を実行させてしまうなんて、真由子も……主人公も、なんてことをしてくれたんだ、と思いました。
『話好きのタクシードライバ』
このタクシードライバの話すことは、何回も話すうちにだいぶ脚色されてそうですね。森先生、本当にタクシー好きじゃなさそう(笑)
『ゲームの国 リリおばさんの事件簿1』
前作『パラシュート博物館へ』にも収録されていた『ゲームの国』。どっちも『1』なんですね。「犀川」や「封印再度」というワードが登場して、今回もめためたにメタメタです。
披露される回文にひたすら圧倒されるばかり。前作のアナグラムにも驚きましたけど、その比にならないくらい圧倒されました。「モナカを買おかなも」でキュン。なんでこんなにかわいいの。
『探偵の孤影』
最後は幽霊同士で会話してたってわけかぁ。自分も死んでいるということに気がつけない。いつまで彷徨うことになるのか。せつない。
『いつ入れ替わった?』
犀川先生が萌絵との約束にだけ遅刻するのは、安心感ゆえかなぁと思っていたんですけど……浮き足立つ気持ちにブレーキをかけていたの?謎解きを手短にして早く指輪を渡したかった?うそん、可愛い。落ち込んでいた近藤刑事、謎が解けてよかったね。
最後、萌絵が抱きついた時!犀川先生は!萌絵の!頭に!手を置いた!どうして車内灯を消したの?なんて聞くのは野暮ですよね。
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