読書感想メモまとめ 2024.3 Part1
『弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま』喜多みどり
グルメ小説を読んでみようと突然思い立ってこの作品に出合いました。ごはんの描写が大変おいしそうなのはもちろん、何より人物がとても素敵です。食べることが大好きで親しみやすい千春。お客さん一人一人に向き合うユウ。ちょっと怖いかも……と思うお客さんもエピソードが終わるころには人の良さがきちんと伝わってきてほっこり。こんなお弁当屋さんがあったら絶対通う。
『弁当屋さんのおもてなし 海薫るホッケフライと思い出ソース』喜多みどり
ユウさんかっこいい! お客さんと真剣に向き合い、お弁当のために調査力?推力?を発揮するユウさんはさながらグルメ探偵です。第四話に登場する「初夏の大学で降っていた雪のようなもの」、私は一瞬雪虫かと思ってゾッとしてしまいました(季節的にありえないのに……)。とてもユウさんには及びませんね。ユウさんの推理は腑に落ちました。「アレ」、大量発生するとすごいんですよね。大学の至る所に飛来して、屋内にまで溜まります。
『弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味』喜多みどり
今回は弁当の注文でかなりの無理難題を吹っ掛けられます。ハラハラしましたがしっかり対応したユウさんは流石。茜ちゃん、カワイイ……!
『弁当屋さんのおもてなし 甘やかおせちと年越しの願い』喜多みどり
特に第一話が印象に残りました。スマホをいじりながら食べた時のごはんって、確かに美味しさ半減してたな……という気づきを得ました。美味しくごはんを食べられるのって大事なことだと思います。
『弁当屋さんのおもてなし まかないちらしと春待ちの君』喜多みどり
なんだろうこのカップル尊い……いちゃつく描写がさらっと入るのがいい塩梅ですよね。
ギョウジャニンニクが登場しましたね! 道民としてテンション爆上がりです。うちではめんみで漬けて白ご飯と一緒にいただきます。匂いは本っ当に強烈なので、基本金曜か土曜にしか食べられません。それを餃子のたねに入れるなんて、なんと罪深い……(食べたい)。千春さんユウさんおめでとう!
『弁当屋さんのおもてなし 夢に続くコロッケサンド』喜多みどり
それによる気持ちの行き違いもありましたが、個人的にはこのカップルのちょうどいい距離感が結構好きです。交際を始めてもしばらく敬語が抜けないところとか、相手を尊重して、干渉し過ぎないところとか。しかしそれが行き過ぎるとかえって相手の意思を尊重しないことになる場合もありますし、望む形にまるく収まってよかったです。甘エビのフライとても美味しそう……。それまで主人公視点だった物語が最後の最後に主人公を見る第三者視点になる演出が憎い! ここまで見守ってきた二人が幸せそうで目頭がじんわり。
『弁当屋さんのおもてなし しあわせ宅配篇』喜多みどり
新章開幕! 主人公交替ということでドキドキでしたが、新主人公・雪緒さんは仕事に真面目で弁当配達への熱意もすぐに芽生えて、とても気持ちのいいお方です。しかし雪緒さんが転職に至った背景と葛藤は重く、今後の展開に注目です。第二話のお客さんはかなりアクが強かったんですが、これまでの作品同様に最後はほっこり。第三話も本当にイヤ~な人が出てくるんですが、シビアな部分も描きつつ落としどころがちょうどいいんですよね。このシリーズのそういう展開のさせ方が好みです。MVPは茜ちゃん!
『弁当屋さんのおもてなし しあわせ宅配篇2』喜多みどり
今回も主人公の雪緒さんが大活躍。新章は主人公の家庭環境に問題があったり、職場をやめた原因にパワハラがあったりと、結構重い要素が増えた気がするんですが、美味しそうなお弁当とほっこりとした読後感は変わりません。茜ちゃん、好きだ……。
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