読書感想メモ『捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest』森博嗣
タイトルがまた素敵。利鈍とRiddleもかかっているんですね。
そして何より衝撃的だったのは、登場人物。
西之園萌絵 対 保呂草潤平。国枝先生もいます。犀川先生の電話出演もあります。なにこの素晴らしすぎるメンツ……。
国枝先生が別の大学の助教授になっていました。大学が変わっても、こうして萌絵とのコンビが見られてよかったです。
萌絵『犀川先生みたい』国枝『悪かったね』 ←吹き出ししそうになりました。
あとは、国枝先生の『私も夢のようだよ 悪夢ってやつ?』という台詞も。歯に衣着せぬ感じがすごくツボです。
現場は、メビウスの帯を模した建物。私は空間把握能力が皆無なので、画像を検索して一生懸命イメージを補いながら読みました(笑)
イメージするのは大変でしたが、やはりこういうスケールの大きい密室はワクワクします。少しS&Mシリーズを思い出しました。S&Mのキャラたちもいますし、意識してS&Mに寄せられているんだと思いますが。
エンジェル・マヌーヴァが登場する今作の保呂草さんは、泥棒寄りです。泥棒の時の保呂草さんにはなんというか「無双感」を憶えていたのですが、今回に限っては萌絵に若干圧されているかも?と感じたのも束の間……。
嘘は吐いていない、というのがまたスマートで憎らしいですね(笑)
プロローグで保呂草さんの語りに登場した『古い友人』の名前は、結局明確に示されなかった気がします。その人は保呂草さんを友人とは認めたくないかもしれない人物で、この物語に登場する、と書かれていましたが……。
保呂草さんは本題に先んじてプロローグでかなり重要なことを言っている、ということをこれまでの作品で学んだので、『古い友人』の存在も伏線なのかもと思いました。だから「誰のことかな~」と気を付けながら読んでいたのですが、わからないまま物語が終ってしまい「あれ?」と。私の注意不足でしょうか。勘違いだったら恥ずかしい。
(萌絵のセリフで思ったのですが、このときってまだ冥王星も惑星だったんですね。幼稚園児だったころにはすでに「冥」が消えて「水金地火木土天海(すいきんちかもくどってんかい)」に変わっていた記憶があるので、自分は生まれてくるのが遅かったな……とあらためて思いました(笑)ほかの読者の方々などとリアルタイムで盛り上がりたかったです)
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