読書感想メモ『イナイ×イナイ PEEKABOO』森博嗣


真鍋〜〜『当たらねば』にどんだけ反応するねん!(笑)
森ミスは犯人が動機を説明することなく、探偵役があくまで"推測だと念押し"した上で動機を話して終わる、というパターンが多いけど、今回は本当に謎が多くて、………???
トリックとか物理的側面はわかったけれど、なんでそういうことをしたのかという、精神的側面というか……。これは本当に解決したと言えるのかな?と思ったけど、そもそも"解決する"ってなんだろう。動機を確認して、理由をこじつけて、上辺の理解をして、ただ安心したいんでしょうか(こういうことを言うと、Vシリーズっぽい笑)。
誰の骨だったのかわからないとかは、森ミスでしばしばある、答えが明示されないまま放置される謎ですね!
GもXも、きっと段々と理解できるようになっていく構造なんだろうな、と思っています。
理系要素が強くて冷徹な印象だった今までのシリーズ(S&M、V、百年、四季、G)に比べるとかなりほのぼの系って感じ?少なくとも、文系読者を圧倒するような強烈な理系要素は無いかしら。
新しい探偵役は、芸大生の真鍋くん。椙田さんは真鍋くんについて『頭が悪いんじゃないかな』なんて言っていたけど、確かにこうやって言葉にしながら一緒に悩んでくれる探偵役、初めてですよね? 犀川先生にしろ、紅子さんにしろ、海月久介にしろ、最後の最後にバババババーッと怒涛の推理展開をするから、頭の中だけでどんだけ考えられんの!?とバッファが足りない読者(私)はビックリしちゃうんだよね……(笑)
なんだか親しみのあるキャラクターに溢れた新シリーズでした。事件の方は何が真実かわからなくて混乱しっぱなしでしたが……まあ、完全な真実が出てくる世の中の大半のミステリィの状況が異常なんであって、むしろわからないのが自然ですよね。

夕影巴絵

ゆうかげともえ、と読みます。

哀感パヴァーヌ

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