読書感想メモ『歌の終わりは海 Song End Sea』森博嗣
ネタバレあります
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小川さんと加部谷、いい仲良しコンビ。歳は少し離れているけれど、二人とも過去に傷を抱えていて、優しくて。これからも支え合っていってほしいですね……。
このシリーズ外シリーズ(?)は主要キャラクタ二人の存在から、XシリーズとGシリーズの流れを汲んでいると思われます。キャラクタだけでなく、謎部分もまさに、X/Gシリーズから顕著になったアンチ・ミステリです。
真実というものは、多分どこにもないの。そういうものがあると信じて、みんながそれぞれに異なる虚像を追っているだけ
西之園萌絵のこの言葉がすべて。あの場面では萌絵が昔の犀川先生、加部谷が昔の萌絵みたいでしたね。
馬鹿と嘘の弓に続いて、こちらも社会的と捉えられる側面が強かったです。そのような重いテーマを中心に据えつつも、重くなりすぎず、かと言って浅くはなく、むしろ深く心に沈み込んでくるのが森ミスの醍醐味だと思います。
哀しいけれど爽やか、そんな不思議な余韻の中で、ようやくタイトルの仕掛けに気がつきました。『Song End Sea』
『尊厳死』
ところで雨宮純のデート相手はどんな人なんでしょう。読者の知っている相手ではないですよね……?
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